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何度も書き直す。

今日から障害者になった。いや正確には11月18日付で精神障害者になった。さらに正確さを求めるならば生まれた時からで、受容するのに今日までかかった。

 

昨日郵送で交付決定通知が届いて、すぐに取りにいきたくてたまらなくなった。そのことで頭がいっぱいなのと、雨の中仕事したくないのと低気圧のいつもなら無視するギリ不調のやつとで仮病を使って仕事を休み区役所に取りに行った。
ぜったい私物では選ばない色のカバーにつつまれてイケてない顔をした顔写真の手帳が交付された。障害者と認定されて受けられる助成の説明を受けて、新しく作った記名済みの交通系ICカードにめいっぱいチャージしてもらった。地下鉄の無人券売機でICカードを作るときに「おとこ」か「おんな」を選ばされてゲーっと声が出た。再発行するときに必要って書いてあったけど、できるだけ性別と遠いところに行きたい。

 

区役所の福祉課で受付してくれた職員さんはみんな優しかった。適切な説明かわからないがまず通常のスピード感と密度で説明して、もしもわたしの理解度がすこしでも浅かったならおさらいしてくれそうだった。交通機関から車の話になった際に車はご自身で運転されるのですか?と優しくきかれた。そうかわたしは障害者なのだなとその質問で勝手に思った。

 

手帳を受け取り役所をでても何も変わっていなかった。

福祉だとか障害だとか自分とは絶対に関係ない世界だとおおむね最近まで思っていたけれどゴリゴリに関係あったね。そしてそれはバビッと世界が変わるものではなく地続きだった。

強いふりをするのが好きだった、社会のなじめなさの脆弱性をつかれすぐにナメられるから。子供の時になめられず強いふりをするためにはホモソーシャルの皮をかぶる必要があると考えた。子供ながら対極をみつける鼻がキいているな。

幸か不幸か私に巣くう攻撃性とそれらは親和性が高かったし、私の実の父もいま思えば社会に迎合するためにホモソーシャルをインストールしたタイプの男だった。参考になるやつが家の中にいたなら最悪の子供が出来上がるのに時間はかからない、だって家でされることを社会にふりまけばよいのだから(家父長制に胡坐をかいたおそらくアスペルガーなので地獄だった。どうりで最悪のハイライトがぱっと思い浮かぶ。最近から厄災と呼ぶことにした)。

今でこそホモソーシャルを憎んではいるが私が意識してインストールしたノンバーバル第一言語だし、憎んでいるふりをして会社ではその時会得した話法をうまく使っている。マインドまでインストールしてしまったかどうかはわからない。ときどきレズビアンと自称しているこの人間への感情がホモソーシャル由来だったらどうしようと不安になる。いや高確率で違うけれど……。

この辺の解釈をしたいけど時間が必要でそのためにこの冬は執拗に日記をかく。忘れやすいからどんなにむかついたことでも人に言われたことのレスバでもフラッシュバックも書いてしまいたい。たとえ人間関係をぶっ壊すことだとしても。

 

役所のタスクが終わった後は控除の書類を書き上げ好きな本屋さんでコーヒーを二杯飲んだ。はじめて「ふくしおとな」のボタンを押して地下鉄に乗った。せっかく気兼ねなく交通機関に乗れるのだから本屋や図書館に通いたい。車の便利さに甘えて「駐車場がないから」という理由で行っていないところもたくさんあるのだから。

 

ちなみに今日はアトモキセチンを飲み忘れたが歩行者を巻き込みそうになり、どこのポケットになにをいれたか忘れて人を待たせるし、区役所の中で迷うし、コインパーキングを精算してから屋上に車を置いたことを思い出したし、急いで車のもとに行かなきゃいけないのに階段の場所を忘れてウロウロした。やはり気合をいれて覚えておかないと空間認知が弱い。ビバ注意欠陥。