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何度も書き直す。

飼い犬のことを書く。お父さんがわからない無料でもらってきた犬。血統などない雑種。次の3月まで生きていれば16歳。

 

去年の秋人間の手が目を掠めてしまい右目を怪我してしまった。その目はもう見えない。ちょっとグロい話だが中身が飛び出していて、目を閉じられない。抗生物質を点眼したり感染しないよう気をつけてはいたが家庭では限界があるのか雑菌がはいりこみなんだかゾンビみたいになっている。でもかわいい。

このたび眼科で目を摘出するかもしれない話があがっていて、できればその方が良いだろうと思っている。するかしないかってのは老犬だから体力次第なんだけど、私は受けて欲しいなと思っている。親バカなのでゾンビでもかわいいんだけど、やっぱり目を閉じたまま寝るのは不憫だ。

 

こんなに右目がゾンビでも散歩に連れて行くと犬が近寄ってきたりする。犬と認識されてよかったね。鼻先を突き合わせて尻尾を振ったりする。尻尾を振る社会性が犬にあることに驚く。私は自分の社会性のなさを飼い犬になぞらえて「社会性のない」小さな枠組みで犬と静かに寄り添い合って生きてきた自覚があるので、犬がなけなしの社会性を発揮したり犬にしかないコミュニティをみたりすると感銘を受けてしまい家でちょっと泣いたりする。今日も黒柴に尻尾を振っていた。かわいいね。若い時なら尻を高く上げて吠えたけどそんな元気もないのかもしれない。でもまだ犬っぽくてよかった。どんどん仙人の階段を駆け上がっていて人生長寿ボーナスステージゾーンに突入していていつ死んでもおかしくないけれどまだ変化を見せてくれてよかった。私の足の上に乗って眠るおもたい図太さを味わえるのもあともう少しだ。