all everything

何度も書き直す。

夜中だ。中途覚醒の癖はぬけない。寝入りにできなかった歯磨きで脳はまた多動にもどった。

顔を出せるコミュニティなどひとつもないと理解した上でなお顔を出しに行きひんしゅくを買ったコミュニティ、たとえば小学校や高校や専門学校のことをおもいだした。

写真の会社のうまくいったOBと私の違い、私が写真に向いていたかどうか、今の自分が写真の会社に趣きなぜあのときうまくいかなかったか自分に与えられていた机の前に立ち釈明する妄想。おれは写真に向いていなかったと思いますと今なら言うだろう。事実そうだろう。世の中に伝えたいことはない。光の質のことも最後まであまりよくわからなかった。精密機械は注意欠陥で何度も機材を落としそうになったし落とすまい、指紋をつけるまいと神経を使うのに精神力を使い切っていたしそれでいてなおかつライトスタンドと三脚は蹴飛ばしていた。人に挨拶できなかった。カメラマンは猿回しの猿のように私を馬鹿にしてお客に差し出した。お客は私をジャッジしたりしなかったりした。もう少し痩せていれば美人なのにナンチャラホンチャラといってきたデザイナーは頭の下げ方ひとつとってチーム全員がきいている前で男らしすぎるからウンタラカンタラと説教して唇を噛み耐えるしか無いおれをみかねて一緒にきた営業が止めたぐらいだ。カメラマンは一言も口を挟まなかったどころか仕事終わりに社長に笑い話としてシェアしていた。おれは仕事ができないのを通り越して守られすらしないと思った瞬間から何かが壊れた。生きているだけでナメられていたがそれは本当に生きているだけで仕事してなかったからだろう。生存の波長が広告業界とちがった。何もできないほど疲れた。早口の指示が聞き取れなかった。何時に終わるかわからない仕事が辛かった。よくぞ山奥から通勤していたなと思う。

忘れようとしても忘れられないのだ。