all everything

何度も書き直す。

なんの考え事もできなくなった。アトモキセチン切れ、強風から来る寒さで脱水に気づけなかった。人間のハードウェアの運用は難しい。

 

週に六日ドヤドヤした現場で働いていると何かが粉々になって自分が何者かわからなくなる。ある意味で望んでやっていることだ。そうやってバラバラにして何かを考える体力を木っ端微塵にしておかないと完璧主義が暴れ出して帰り道に罵詈雑言を垂れ流す人間になる、いやなっている。

 

かつてマンションとマンションの間に横たわる駐車場を横切る女性がいてそれこそ罵詈雑言を喚きながら歩くひとだった。そのひとが叫ぶとマンションの壁と壁がコンサートホールの反響板のようになって住民の心臓を跳ねさせた。当時は怖かったが、おれもいま似たようなものになっている。自転車を漕ぎながら些細なミスが脳裏にちらついてやめさせるのに必死だ。独り言がキツイやつの気持ちは無数にあってわからないが、きっと自分の脳と戦っていて周りに危害を加えようだとか驚かすつもりなんかないのは確かだ。マンションの間を通ることはなくてもおれの声は無駄によく通り、道ゆく若者なんかが振り返ってすぐに視線を外す。そういえば「あんたの声はただでさえ低いんだから」とまるでダメなことのように母親に注意されたのがフジツボのように記憶にこびりついている。さぞ低いのだろうと腹を括って録音したりビデオに映りこんだ声をきいてみるが別にそうでもない。ただ腹から声が出ているだけだ。

ただでさえ低いんだから、と言われた過去を思い出すからiriを一番最初に聞いた時苦手だった。いまは好きだ。明後日ライブに行く。

 

口頭コミュニケーションが苦手なことに加えて主語をぶっとばして話す上司とのやりとりなんかストレスがたまるにきまっている。発達障害がムニャムニャと話す余裕なんかなく頭が悪いのでと話すがただ笑われる。俺は傷ついている。プライドも体力も精神力も週に6回、不安全行動ひとつとれば人やものを壊してしまう仕事に自分を安く売りすぎではないかと訝しんでいるが、職業的に他に何かできるわけでもない。ほんとうは安全にはぐらかさずに自己開示したいのに地理柄、社会的、職業からくる物理的にすらも安全でない場所に中に六日間もいなくてはいけないことが苦痛で仕方がない。